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2012-01-25(Wed)

なんとも奇妙で曖昧な記憶の怖いお話

897:本当にあった怖い名無し:2012/01/23(月) 21:50:37.21 ID:SHL8GCgj0

私がまだ幼稚園に通っていたころの話。
昔から運動神経が芳しくなかった私は、家の習いでK葉山の天狗様へお借り面
をしに行く際に、よく運動ができるようになりますようにとお願いしたものです。
そんな私ですから、どちらかというと校庭で遊ぶ活発な友達によく置いていか
れていましたが、負けず嫌いだったので後ろにかじりついて一緒にあそんでいたものです。
もちろん、置いて行かれてしょっちゅう泣いていましたが。
その日も私は半泣きになりながら、ターザンごっこに興じる友達に混ざって遊んでいました。


898:本当にあった怖い名無し:2012/01/23(月) 21:52:27.12 ID:SHL8GCgj0

ターザンごっことは、いまあの幼稚園にその遊具があるかどうかはわかりませんが、
大体3,4メートル程度の長さほどある綱の上に滑車を取り付けて滑車からたらした綱に
つかまって端から端まで滑空(走らせる?)遊具で、ターザンのような「あーああーー」という
ちょっと今じゃできないような叫び声をあげつつみんなできゃいきゃいわあわあする遊びです。
これがなかなか楽しいのですが、はっきりいってとろくさい私にはうまく滑車を端から端に滑らす
ことができず、というか、ちゃんと綱につかまることもままなりません。
ので、私が混ざると、私がぎゅっと綱に掴まってから友達一人が私を前に押し出し、
私の掴まってる綱を前方で待っていた友達がうまくキャッチして私ごと綱を引っ張っていき、
勢いをつけて端まで持っていくというもはやターザンごっこでもなんでもない、
はたから見たらなにこれイジメ?的な(私も友達も大真面目で遊んでいたのですけれど)
ことをしていました。
そしてその日もそんなことをしていたわけですが、私の記憶が正しいのなら、
親が迎えに来ていたので、放課後の話になるとおもいます。


901:本当にあった怖い名無し:2012/01/23(月) 21:54:45.65 ID:SHL8GCgj0

今では虚弱体質な母ですが当時はそんな面影はまったくなく、
当時はただの活発で姦しいアフロヘアーの母で、
幼稚園のママ友と楽しそうに話をしていました。
私はそれを横目で確認しながら綱にギュっとしがみつき、
友達にお願いして背中を押してもらいました。
ジャアッ!という少し重たい金属音とともに滑車は滑り出して、
前方でスタンバってた友達も私の掴まってる綱を見事にキャッチし、
友達に引っ張られた綱はぐんぐん速度を上げていきます。
グンッと友達は最後の勢いをつけて手を離しました。
後は末端の黒いゴム製の衝撃吸収なんちゃらにぶち当たるまでの短い時間を
綱にしがみついてればいいだけです。


902:本当にあった怖い名無し:2012/01/23(月) 21:55:58.72 ID:SHL8GCgj0

と、そこで記憶の中の私の視界は、何故かママ友と話してたアフロヘアーの母を捕らえます。
驚愕した、母の顔です。話していたはずのママ友も遠くで花壇の世話をしていた先生も、
全員私をみています。一様に、驚愕した顔で。その後空を見ました。
高く青く、抜けるような空。遠くなる空に入り込むように現れる、握っていたはずの薄汚れた綱、
それから灰色とも薄茶とも黄土色ともとれる、良く見知った校庭の土。
その土を汚す赤い、水のような何か。
それをすべて見届けた後、脳裏を劈くような悲鳴が私に届きました。

「M!!」
「Mちゃん!!」

母のあせった声と友達の悲鳴交じりの泣きそうな声がして、私の世界は暗転しました。


903:本当にあった怖い名無し:2012/01/23(月) 21:57:30.31 ID:SHL8GCgj0

次の記憶で、私は気がつくと、奇妙な部屋にいました。
薄暗い部屋にランプがひとつ。けれど回りは蛍のような淡い光が飛んでいてあまり暗い印象を受けません。
私は固いベッドのような何かに寝ているようでした。
ひんやりとした何かが私の頭の上を覆っています。
水にぬれたタオルか何かだとおもった私は、もしかしたら保健室に運ばれたのかな、とおもいました。
おっかなびっくり薄目を開けると、若くて綺麗な長い黒髪を後ろで1本に束ねた女の人が
心配そうに私を覗き込んでいました。
だれだろう、保健室の先生じゃない。
そんなことをつらつらと、回らない頭で考えました。
すると女の人が私が目をあけたのに気がついて、ニコッと笑ってくれました。
当時美人のお姉さんがすごく好きだった私(というか、ただ単に年上のお姉さんが好きだっただけかもですが。お姉さんは可愛がってくれる人が
多かったので)はうれしくなって、万遍の笑みを浮かべて「お姉さん誰?」と聞こうと口を開きましたが、声が出ません。


904:本当にあった怖い名無し:2012/01/23(月) 21:58:51.29 ID:SHL8GCgj0

びっくりして口をはくはくと動かしましたが、声が出ず泣きそうになりました。
ついで起き上がろうとしましたが、体は鉛のように重くて上体を起すことができません。
また泣きそうです。
それを見てお姉さんは困ったように笑った後、後ろを振り返ってちょいちょいとなにやら
手招きをしています。
そのとき初めて、私はお姉さんが綺麗な金と銀の刺繍の入った白い着物を着ていることに気がつきました。
とても綺麗な着物で、今おもうとお嫁さんのきる着物みたい、とおもうのですが、
当時まだ幼稚園児だった私はお姫様みたい、とおもいました。
彼女の手招きした先に、私と同じぐらいの年の男の子がいました。
男の子は泣きそうな顔で、私を覗き込んでいます。


905:本当にあった怖い名無し:2012/01/23(月) 21:59:49.83 ID:SHL8GCgj0

黒い短髪でこげ茶の目の、知らないような、知ってるような、変な印象の男の子でした。
けれど名前はわからないので、きっと知らない男の子です。
男の子は私のおなかの辺り(ちょうどおへその上の辺)に手を乗せて口をはくはくと動かしました。
口から音はつむがれません。
男の子は必死に何かを私に言ってるようですが、音はありません。
もしかしたら音は在ったのかもしれませんが、とにかく私は男の子がなんと言ったのか、覚えていません。
ただはくはくと口を動かす男の子の表情が今にも泣きそうで、なんだかとてつもなく悲しくなって
私は大きな口をあけて泣きました。

気がつくと私は、大きな声でわあわあ泣きながら、おばあちゃんにもらった狐のぬいぐるみを抱きしめていました。
場所は奇妙な部屋ではなく、ましてや幼稚園ではなく、自宅の父と母の寝室でした。


906:本当にあった怖い名無し:2012/01/23(月) 22:01:06.09 ID:SHL8GCgj0

けれど私は景色がいきなり変わったことに驚くことなく、わあわあ泣き続けています。
私の泣き声を聞きつけた母が「どうしたの?」といって寝室のドアを開けました。
私は母にしがみついて「こんちゃん(狐のぬいぐるみ)のね、おなかがね、破れちゃった!」というようなことを
しゃっくり交じりに言ったとおもいます。
そして、その自分で言った言葉に、自分でびっくりしました。
私は今まで変な部屋にいて、狐のぬいぐるみのおなかがどうこうなんて、いま自分が言った言葉で知ったのです。
というか、朝は確かに破れてなんてなかったはず。
びっくりした拍子に涙も引っ込んで、私はびっくりしたまま、ぬいぐるみを確認しました。
確かにぬいぐるみのおなかが縦に大きく裂けて、中の白い綿がふわふわと出てきています。
私は目の前のその惨状に、とてもすごく悲しくなって、俄然わあわあと泣き始めました。
私は何故か、そのとき「狐のぬいぐるみが死んでしまった」とおもっていました。
壊れた、ではなく、死んだ、と。


907:本当にあった怖い名無し:2012/01/23(月) 22:03:28.98 ID:SHL8GCgj0

すると、私がなかなか泣き止まないことを不審におもったのか、
遊びに来ていたらしいおばあちゃんがひょこっと顔をだしたので私はしがみ付いていた
母から離れて、おばあちゃんに泣きつきました。

「おばあちゃんごめんなさい、こんちゃん死んじゃった」
「あれ、何をいうンだいね、この子」

おばあちゃんは私の頭をぽんぽんとたたいてあやしながら「かしてみい」と私につぶやきました。
私は素直に死んでしまったぬいぐるみをおばあちゃんにあずけました。
するとおばあちゃんはしげしげとその裂け口を見てから、ほんわり笑いました。

「Mちゃん、死んでないよ。怪我しただけさね。ばあちゃんがつくろったるから、ちょっとまってな」

おばあちゃんはそういって、母から裁縫セットを借り受け、ぬいぐるみのおなかを元通りに縫い合わせてくれました。

数年後、私が小学校4年生のときにおばあちゃんは亡くなりました。末期癌でした。
不思議と涙が出ないまま、私は何とはなしに昔話のつもりで一連の事件のことを母にいうと、
母はとても奇妙な顔になりました。


908:本当にあった怖い名無し:2012/01/23(月) 22:05:45.32 ID:SHL8GCgj0

「確かにMはターザンしてて落っこちだけど、あんた別に気なんて失ってなかったでしょ。
びっくりするぐらいケロリとしてたじゃない」

確かにその後、ぬいぐるみのおなかが急に縦に裂けたとかで、
あんたが大泣きして、おばあちゃんにつくろってもらったことはあったけど。
母はいぶかしむようにして私を見ました。

そんなばかな。

確実にあの時私は落ちて、目の前が真っ暗になって、気を失ったはずなのに。
全然ケロリとしてた記憶なんてないのに。
あんなに鮮明に覚えているのに。確かに落ちてから病院にいった記憶なんてないけれど。
でも、じゃああれは全部夢だったとでもいうのでしょうか。
それともただ単に夢と記憶がごっちゃになっただけなのでしょうか。
そんな疑問を感じたまま私は大人になり、その記憶もきっと気のせいだと大人らしいダメな理由をつけて
納得し始めたころに、私はあの若くて綺麗な女の人が着ていた、金と銀の刺繍の入った白い着物と出会いました。


909:本当にあった怖い名無し:2012/01/23(月) 22:07:22.75 ID:SHL8GCgj0

成人式用にと私の前に現れたそれは、やはり白無垢をお直しした、振袖でした。
その着物はどうやら母方の(つまりおばあちゃんの)家で代々引き継がれてきたものらしいのですが。
あの着物のお姉さんはだれだったのか、あの男の子はなんだったのか、私の記憶と母の記憶の誤差は一体なんなのか。
結局今でもわからずじまいですが、そこはかとなく感じる縁は、別に悪いものじゃないなんておもうわけです。

というなんとも奇妙で曖昧な記憶のお話。



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